地域別事例紹介

中 国               

▼橋がかかって観光客が増加 国道沿いに直売所を!
二見地区は本州の最西端に位置する山口県下関市の豊北町にあり、農林水産業を主体とした、自然環境に恵まれた町です。女性部の連絡協議会の会長を務める藤尾憲美さん(62)が小さかった頃は、二見地区でも長崎の漁業者が定置網に手伝いに来るほど浜には活気があり、地域では漁業が盛んに行われていました。
しかし高度経済成長をきっかけに若い世代が徐々に町を離れてしまい、会社勤めをする人が増え、それに伴い地域の活力もなくなってしまいました。
しかし最近になって、会社勤めをしていた人が定年退職を迎え、地元に戻って漁業をはじめるようになり、わずかではありますが漁業者の数が増えてきました。
そんな時に近くで角島大橋がかかり、それをきっかけに交通量が増加。
女性部では交通量が増えた国道沿いに直売所を出せば、大勢のお客さんが来てくれるのではないか?と、臨時総会を開き、メンバーの賛同を得て直売所の建設が決定しました。はじめに直売所を建設するにあたって、問題となったのが資金集め。本来であれば、施設を立ち上げる場合は、自治体などから補助金を出してもらうのが普通ですが、それだと時間がかかってしまいます。
そこで、長年女性部が蓄えてきたお金を利用し、自分たちの手で立ち上げました。そのため、建物に使用した資材は廃材を利用したもの。その他、この取り組みを応援してくれるボランティアスタッフの手によって、直売所は建てられました。
現在は、毎週土日の朝8時~朝市を開催。国道沿いということもあり、県内だけではなく、山口県外からも多くのお客さんが訪れています。直売所は会長を務める藤尾さんを中心に60~70代の10人前後で運営されています。
直売所で注目するべき点は、メンバーの年齢や元々の職業です。若い頃から専業で漁師をしていた人はいません。みなさん、元は教師や町役場の議員など様々な経験を積んできた人ばかりです。

▼名物「神経〆」で目の前で新鮮な魚介類をさばく!
建物の中には大小4つの水槽があり、お客さんが欲しい魚を注文すると目の前で魚をしめてくれます。魚のしめ方は「神経〆」という方法で、血抜きをしたあとに頭から針金を通す手法です。この方法であれば魚に乳酸を溜めることなく、新鮮な状態で保存することができるんだとか。この手法は評判となり、他県の漁協から視察に訪れるほどです。
当初はお客さんを集めるのに苦労しましたが、手作りの看板やのぼりを立て直売所をアピール。口コミで徐々に広がり、土曜日には8時のオープンと同時にどっとお客さんが押し寄せます。直売所が始まってから3年が経過し、漁師とのネットワークも広がり、しけで魚が揚がらない時も、隣町の漁師から1本釣りした鮮魚が届きます。
さらに最近では、漁師だけではなく、農家とのつながりもでき野菜などの販売も始まっています。今後の目標は、ただ販売するだけではなく新鮮な魚介類を提供する食堂などを開店させること。近くには道の駅もでき、干物などの加工品を販売することが決定しています。