地域別事例紹介

関 東               


  ●浜を元気にする人

川尻漁業協同組合 
川尻磯もの部隊  坂本亮一さん
事務長        大坂英郎さん

川尻漁協が元気な理由
1 ・3名に減ってしまったあわび漁が復活! 現在は24名であわび漁を実施
2 ・あわび漁で生まれた連帯感 川尻磯もの部隊を結成
3 ・あわびを育てるために、「海の森を蘇らせる」! 未来に向けた漁場造成

▼あわび漁3名からの復活!
 茨城県日立市は、茨城県の北部に位置しています。これからの季節、春はさくらの名所として、夏は漁協に隣接する海水浴場に訪れる観光客で賑わっています。川尻漁協では小型船漁業を中心に営まれており、小型底曳き網漁業(タコ・カレイ等)、船曳き網漁業(シラス・コウナゴ・オキアミ等)、あわび漁などが営まれています。
今回紹介するのは「あわび漁」に関してです。
元々川尻漁協は、1970年代あわび漁が盛んな地域で、茨城県でトップの漁獲量を誇っていました。しかし漁師の高齢化や年々の漁獲量が減ってしまい、1996年にはわずか3名に減ってしまいました。 そこで、川尻の伝統漁業を絶やさぬようにしらす漁をしていた漁師が、新規参入するなどして、現在は20~60代の24名の漁師が漁を行っています。

▼川尻磯もの部隊を結成し、地域の活性化を狙う!
 さらに2007年からは、地元の青年部が「川尻磯もの部隊(以下、『部隊』)」を結成し、あわび漁が盛んな岩手の三陸地方を訪れ、漁を視察するなど積極的に取り組み、獲るだけではなく漁場の再生にも力を入れ、潜水機を購入し、新たな漁場を探っています。 あわびは、おもに素潜りで採ります。
漁は6~10月まで行われ、1つの船に3~4人が乗船し、チームになって行動。
その日に揚がったあわびは、仲買を通じて主に東京の築地や宮城に向け発送されます。
部隊では、あわびを獲り過ぎないように1回の漁に制限を設けて、漁場が枯渇しないようにしています。あわび漁の人数が増えたことによって、密漁のパトロールを強化する事ができ、成果を上げています。漁自体では、1シーズンで1人当たり80~100万円の利益を上げるなど漁師の貴重な収入源になっています。また、川尻の漁業組合の女性部では、年3回朝市を開催。
朝市の時には、新鮮なあわびを直売しています。普段は直接購入する事ができないため、地元の人に人気を呼び、いつも売り切れてしまうほどです。

▼あわび漁で漁場を再生!
 部隊では、次の時代に豊かな漁場を残そうと、あわび漁だけではなく、種苗の放流も盛んに行っています。
特に今年度は、漁業協同組合で購入した種苗とは別に、自分たちで種苗を3万個購入し、放流を実施。あわびが成長しやすいように、海草のアラメを養殖したり、藻場の再生にも力を入れています。
他にも部隊では、定期的に部会を開き、新たなアイディアを出し合いながら、あわび漁の効率化を図っています。
漁場の再生も部会の際に、持ち上がったテーマ。部隊を結成したことにより、様々な意見が出るように、漁師同士の連帯感も生まれています。

「今でもあわびが獲れ続けるのは、先代の人たちが漁場を大切に守って来たから。
漁場の再生は、はじまったばかり。まだまだ試行錯誤している状況です」と、
事務長の大坂さんは、笑顔で語ります。
あわびを通じて、川尻地域の更なる活性化を狙っています。

参考資料

「あわび」漁業の再生とさらなる展開を目指して (第15回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)