地域別事例紹介

四 国               

 

   

    ●浜を元気にする人         

        遊子漁業協同組合 総務部 浜田規宏さん
        遊子漁協青年漁業者協議会魚類部会  会長 藤堂正幸さん
                      〃           会員 山本祐次さん
                      〃            〃 古谷良徳さん



遊子漁業協同組合が元気な理由
1 ・地域の人たちと連帯し、遊子漁業協同組合が、率先して環境保護に取り組む
2 ・青年漁業者協議会の横のつながり 自分たちの漁場は自分たちで守る!
3 ・養殖&加工品 付加価値を付ける

▼メンバーが率先して環境保護に取り組む!自分がやらなきゃ誰がやる!!
 遊子漁業協同組合がある、宇和島市は愛媛県の南西部に位置し、温暖な気候とリアス式の海岸線を利用し、ハマチ&真鯛や真珠の養殖が盛んに行われています。
元々遊子地区は、イワシの網漁が盛んな土地でしたが、徐々にイワシが獲れなくなったため、ハマチ&真鯛の養殖や真珠の養殖にシフトチェンジし、現在に至っています。
現在、青年漁業者協議会魚類部会に所属するメンバーは26名。みんなお父さんの代から養殖を引き継いだ人ばかりです。20~30代で、平均年齢も28歳とかなり若目。自分たちの代で遊子の漁業を絶やさぬように、子どもの代まで美しい遊子の海を守り続けようと、美しい漁業環境作りに力を入れています。

 養殖業をするに当たって一番問題になるのは、生簀から排出される残った餌や魚の排泄物。どんなに気を付けても、この二つが環境に負荷を与えてしまいます。
そこで青年漁業者協議会魚類部会では、年2回夏季と秋季にAVS-S「酸揮発性硫化物量」の観測を行っています。この調査は簡単に言うと、「ヘドロ臭の程度を観測するためのもの」です。
この取り組みも、1995年から定期的に行われているもので、このデータは、一定の基準として環境を守るために役立てられています。


▼きれいな海を次世代に残すために、新たな事にどんどんチャレンジ!
 部会のメンバーは、年齢も近い事から、定期的に会合を開き、新たな事にチャレンジしようと、本業以外の活動も盛んに行っています。
2010年には、使用済みの使い捨てカイロの中身を使って、海水の浄化作用があるとされる「鉄炭団子」をつくる作業を、地元の小学生一緒に行いました。
この「鉄炭団子」は海水に入れると、海水に反応して発生した鉄イオンが海藻の生育を促進し、魚介類も生息できる環境に戻す効果があると言われています。
作った団子は乾燥させた後、海に投入し水質改善に役立てられました。
この取り組みもすぐに効果が目に見えるものではありませんが、次世代に豊かな海を残そうと実施されたもの。子どもたちと一緒に実施する事で、地域の人たちが地元の海にもっと関心を持ってもらおうというのが狙いです。
「参加した子どもたちが、一人でも多く、地元の漁業を継ぐ者がいれば・・・」と会長の藤堂さんは語ります。


▼限りある資源にいかに付加価値を付けるか!
遊子漁協では、2007年に全国の漁協として初めて食品安全マネジメントシステム(ISO22000)を取得。「食の安全・安心」の信用度を上げ、差別化により近年低迷する魚価の回復を目指しています。
加工工場では、それまで活魚を中心に出荷していましたが、若い世代にもっと魚を食べてもらおうと、食べやすい大きさに魚をカットして、冷凍保存。
独自の技術で開発した「誘電冷凍フリーザー」は、魚の細胞膜を破壊する事なく、旨味成分をとじ込める事ができ、港に揚がったばかりの魚と遜色ない味を保つ事ができます。
真鯛を日常的に食べる習慣は、どちらかと言えば関西よりのもの。今後は、関東の人たちにも自分たちが育てた美味しい鯛を食べてもらおう!と、新たな商品開発にも力を入れています。


参考資料

海を耕すこころを忘れずに! (第15回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)