地域別事例紹介

九 州               

 

   

●浜を元気にする人

あやか水産 
     代表  綾香 良浩さん(中野漁業協同組合西目青年部) 
平戸市役所水産課   
     吉浦 永泰さん(現漁協青年部関連業務担当)

平戸地域が元気な理由
1 ・漁師体験で大勢の観光客が平戸へ
2 ・漁師体験がもたらす様々な波及効果

▼平戸に元気を!
 古くは大陸交易の玄関口として栄えた平戸市は、今も長崎県内有数の観光地の一つとして知られています。また地形的に入り組んだ海岸線を多く有し、北には玄界灘、西には東シナ海を臨む漁業の盛んな地域です。
 ところが訪れる観光客は宿泊客を中心に減少傾向にあり、市内の人口も減少して平戸は元気を失っているようでした。
 そこで平戸市はあやか水産に漁師体験を始めるためのアドバイスをしました。なんとか平戸を元気にしたい、平戸の魚の旨さを知ってほしいと思っていた綾香さんは軽い気持ちで引き受けました。PRを市に依頼した1年目の夏休みシーズンだけで280名が漁師体験をしたのでやっていけると確信し、すぐにトイレ付で幅広の漁師体験仕様の漁船を建造しました。
体験する漁は定置網です。本物の漁師と同じ朝6時に出港し、漁師に混じって漁労作業を体験します。帰港すると自分たちが水揚げしたばかりの魚が朝食として振る舞われます。こうして平戸の魚の新鮮さ、美味しさを味わってもらうようにしています。
こうした活動がテレビなどにも取り上げられ、8年間で5.4倍に増加しました。外国の旅行社も体験漁業をツアーに組み入れてくれたため、台湾、韓国、香港、ドイツなどからきた多くの観光客が体験漁業を楽しんでいます。
 漁師体験者で市内に宿泊した人の宿泊料だけでも1200万円以上の経済効果を生み出したと試算しています。

 

▼漁師体験が生み出したもの
 漁師体験をされた市外の飲食店や百貨店の関係者が平戸の魚を扱ってくれるようになりました。お寿司屋さんは平戸の米まで仕入れてくれています。
 漁協の青年部の活動の一環として、小中学生を対象に、漁師体験を内容とした水産教室を始めたところ参加した子供たちの大半が「漁師になりたい」とアンケートに答えました。漁師が将来の職業の選択肢の一つになったことを漁協青年部は大変喜んでいます。実際に漁師として地元に残ることにした若者も誕生しています。
漁師体験で朝食を振る舞っていたあやか水産の女性たちは、もっと多くの人に平戸の魚のおいしさを知ってもらいたいと思うようになり、4年前に地元の漁師の奥さんたちの協力も得て漁師食堂「母々の手」をオープンさせました。土日だけの営業ですが(平日は予約制)チラシとテレビ取材のおかげで、スタート当初15,6人だったお客様が 100人に増え、昨年のGWには1日230人も来店されました。




▼成功のポイント
 成功のポイントはもちろん「平戸を元気にしよう」という熱い思いですが、綾香さんは官民合同作業から民間へのスムーズな移行を上げています。当初、問い合わせ窓口と受付は市が行っていましたが、4年ほどたってあやか水産が行うようになりました。
 「人頼みには出来ない、自分たちでやらなければ」という思いが数々のアイデアあふれるPR活動につながり。多くの観光客が訪れるようになり、ふるさと平戸の元気づくりに一役買っています。

参考資料

浜から広がる新しい明日へ

 (第16回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)