地域別事例紹介

九 州               

  


    ●浜を元気にする人

     日南市漁業協同組合          相星 広 さん
     日南市漁業協同組合 女性部部長   武井友子さん
     日南市漁業協同組合 女性部副部長 太田豊子さん


日南市漁業協同組合が元気な理由
1 ・魚食の郷土料理を後世に伝えよう
2 ・漁協女性部の活動が地域の活性化に役立つ

▼魚うどんの商品化・ブランド化の歩み
 日南市は宮崎県の南部に位置し、観光地やプロ野球のキャンプ地としても有名です。
日南市漁業協同組合は正組合員192名、准組合員76名の計286名で構成され、組合員は近海カツオ一本釣、マグロ延縄、磯建網、小型定置網などを行い、平成21年度の水揚げは35億円でした。漁協合併に伴い、平成6年に日南市漁業協同組合女性部が発足、特に魚食普及活動に力を入れています。女性部の加工グループは20名で漁業協同組合施設の加工場を拠点に活動しています。
戦時中の食糧難時代、地元では主食の代用食として、魚のすり身に小麦粉を練り込んだ魚うどんが食べられていました。女性部は食卓から消えた魚うどんを昭和50年代に復活させ、単発的に各種イベントなどで試食販売を行っていました。
平成19年日南商工会議所から、魚を原料とした魚うどんは全国でも珍しいので、地域活性化のためにも特産品として商品化してはどうかと相談が持ちかけられました。そこで日南市、日南商工会議所、宮崎県、漁協の協力・支援を受け、「魚うどん」の商品化と全国展開に向けて本格的に活動を始めました。
 全国の消費者においしく食べてもらうために、魚うどんの材料から見直しを始めました。材料は白身のトビウオです。普通のうどんのように麺が白く仕上がり、捌いた後の骨はダシが良く出るので一石二鳥です。“血合い”を除いて魚臭さを取り、魚が苦手な方でも食べられるようにしました。保存も瞬間真空冷凍で美味しさを閉じ込めました。
こうして平成21年に商標登録。PRも日南市や県の協力を得て積極的に行いました。「低カロリーで高タンパクなヘルシーフード」をキャッチフレーズにテレビ・ラジオにも出演。NHKの全国放送の番組で取り上げられた時には電話回線がパンクするほどの問い合わせがありました。
 平成21年度の販売実績は前年度の2.7倍に増加、22年度は口蹄疫の問題で5月~7月のイベント販売が中止されたにもかかわらず前年を上回る実績を上げています。
21年からは日南市内の小中学校の学校給食に採用され、福岡県からも学校給食の問い合わせが来ています。こうした実績や反響は加工グループ全員の活動意欲をさらに高めるものとなっています。


▼魚うどんがもたらすもの
 魚うどんは単に女性部の優良活動だけではなく、日南市漁業協同組合へ多くのメリットを提供し、日南市の活性化にも貢献しています。
 それは、
①加工グループはトビウオの仕入れ価格を浜値の2割~3割増しで購入することで少なからず魚価の向上に貢献しています。
②活動を通して地域女性に雇用の場を提供。女性が収入を得ることで漁獲量が落ちる時期にも家計を支えることが出来ます。
③お土産として知名度が上がると観光客の購買意欲が高まり、日南市の活性化に貢献します。
 消えかけた郷土料理を後世に伝えようという活動は浜を笑顔と元気で盛り上げています。

 

 


参考資料

後世に伝えたい私達の味

 (第16回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)