地域別事例紹介

九 州               

  


    ●浜を元気にする人

     新松浦漁業協同組合新星鹿支所支所長   吉澤隆則さん
     新松浦漁業協同組合女性部部長       荒木直子さん
     新松浦漁業協同組合女性部事務局      吉永絹代さん
     新松浦漁業協同組合女性部の皆さん
     

新松浦漁業協同組合女性部が元気な理由
1. 民泊を推進させる魚食普及の熱い思い
2. 都会の子供たち、若者たちとの交流

▼都会の子供たち、若者たちの交流の場としての民泊
 福岡から西へ約100㎞、長崎から北へ約100㎞のところにある松浦市。平成17年に4つの漁協が合併して新松浦漁業協同組合が誕生。管内では養殖が盛んでなかでもトラフグの養殖は日本一を誇っています。新漁協誕生から1年、4女性部も合併して新松浦漁協女性部となり、300名弱の部員でそれまで各支部が行ってきた魚食普及と環境保護の取り組みを行っています。

 そうした松浦市に春と秋に都会の中学生、高校生がやってきます。年間約28000人。 生徒たちは4,5人に分かれて漁家に泊り、“ほんなもん”の漁家生活を体験します。 生徒たちの多くは知らない家族との交流に、最初はほとんど口もきけません。
 しかし、 漁家家族の一員として夕食の準備を行い、触ったこともない魚のさばき方を教わるうちに打ち解けて心から交流を楽しむようになります。夕食は家族みんなで、時には近所の人たちも加わって大宴会。といってもお父さんたちは晩酌を少しセーブして生徒たちのお相手(わが子のように)。みんなで食べることの楽しさを発見する生徒。魚が嫌いだった生徒も自分の料理した魚はペロッと平らげて魚がおいしいことを発見します。夜は浜辺を家族で散歩して降るような星に感激。都会の生徒たちの驚きと感激、そのあふれるような笑顔が浜の人々に元気と活力を与えています。おかげで民泊受け入れ漁家は毎年増加を続けています。それでも民泊希望者に応えられません。そこで女性部に加入していない漁家も参加して、浜の多くの家が都合のつくときに民泊を受け入れています。

▼魚食普及の思いが民泊を受け入れる

 民泊の活動は漁協合併前の平成15年に始まりました。体験型旅行をあっせんする民間団体から漁協を通して、都会の修学旅行生を対象とした魚料理体験と民泊を受け入れる漁家の協力について相談がありました。食育の大切さを実感していた女性部のメンバーはこれをチャンスととらえ各支部5から10件の漁家が参加してスタートしたのです。
 修学旅行生は食事が楽しみ。そこで不公平が無いように基本的なメニューを決めました。
魚食普及が動機ですから、ハンバーグなど都会でいつも食べているような品目はやめ、 生きのいい魚のお刺身や魚のフライやてんぷら、ちゃんぽんや皿うどん、郷土料理の角ずしなどを生徒たちと一緒に作ることにしたのです。そして修学旅行生を客として扱わない、わが子と同じように生活させることを活動のテーマにしました。体験した生徒たちからは、食育の大切さに気付かされたこと、家族や友達の大切さを教えられたこと、 目に見えないとても大きなものを得たこと等々…という声が寄せられています。
魚食普及が広がる未来を、松浦の浜の元気が保証しています。




参考資料

体験!漁村のほんなもん(本物)~民宿受け入れの取り組み~

 (第17回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)