地域別事例紹介

四 国               

  


    ●浜を元気にする人

     遊子漁業協同組合 組合長       松岡 真喜男さん
     遊子漁業協同組合女性部 部長    山内 満子さん
     遊子漁業協同組合女性部副部長   中川 朱美さん
     遊子漁業協同組合女性部の皆さん
     

遊子漁業協同組合女性部が元気な理由
1. 自主性が育てたやる気
2. やる気満載のキッチンカー

▼解散の危機からの再出発
 愛媛県宇和島市遊子地区では、リアス式海岸を利用した養殖漁業が行われています。かつてはイワシ網漁が盛んに行われていました。昭和35年イワシ網漁の崩壊に伴い遊子漁業協同組合は倒産に追い込まれましたが、養殖業への転換を図り、現在全国有数のブリ、マダイ等の魚類や真珠の養殖生産量を誇る地域となりました。しかし、近年の厳しい漁業情勢の中で廃業する漁業者があいつぎ、組合員数は237名に減っています。昭和30年に発足した女性部も、長引く不況の中で、ある地区は役員を出せなくなり解散がささやかれるようになりました。組合と女性部全体の協議が何回も行われました。組合から「続けるならフォローするがどうする」と自主的に決断することを委ねられた女性部は“やる気のある人だけで続けよう”と結論し、平成20年に新生女性部として再スタートを切りました。

 最初に行ったのは食品開発です。遊子で獲れる魚介類を利用した加工品を、地元のイベントや学園祭などで試作販売する活動を2年ほど続けました。この活動を通して、愛媛県内でも「遊子」の知名度が低いことに驚かされ、遊子の子供たちの将来のためにも「遊子」と「遊子の魚」をPRする必要を痛感しました。漁協の勉強会や県のセミナーにも積極的に受講し、PRのための方法の検討が始まりました。「女性部の体制が整う」「女性部の思いが一致する」「行政の応援を受ける」「補助金の支給を受ける」「専門家によるトータルデザインの決定」これらのことが1年間のうちに整い、遊子の台所プロジェクトはスタートしたのです。

▼遊子と遊子の魚をPRするためどこへでも行きますキッチンカー

遊子の台所プロジェクトの中心は移動販売車キッチンカーです。流し台をはじめ冷凍冷蔵庫や加熱調理機を揃えたこの車はアイスクリームからメインディッシュまでを提供できる能力を備えています。遊子の台所プロジェクトは直接消費地に出向いて対面販売するので消費者の嗜好を肌で感じ、人気のある商品を作り出しています。たい焼き機で作る鯛めし「たべ鯛」や「たべ鯛バーガー」は隠れたヒット商品です。平成24年キッチンカーの出動したイベントは58ヶ所。女性部員たちは、準備、積込、営業、片づけを皆で助け合い分担し合って行っています。1年の売り上げは800万円。ささやかですが時給600円の手当も出しています。こうしたことも相まって、若いお母さんたちも加わり、現在27名の部員が遊子の浜から元気を振りまいています。




 

参考資料

育ちざかり、遊子 ~元気な子供たちの将来に向けて~ 「遊子の台所プロジェクト」

 (第17回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)