地域別事例紹介

北海道               

 

   

●浜を元気にする人

厚岸漁業協同組合えびかご漁業班 班長 高田 清治さん
厚岸漁業協同組合漁業振興課   漁業 北村 力也さん
釧路地区水産技術指導所専門 普及指導員 大西 博継さん

えびかご漁業班が元気な理由
1 .逆境を利用するチャレンジ精神
2 . 資源保護の必要性を漁業者全員が共有している

▼厚岸は漁業と酪農の町
 厚岸市は北海道南東部に位置する人口約1万人の町。内陸では多くの乳牛が飼養されています。厚岸漁業協同組合では組合員546名が厚岸湾や厚岸湖を漁場とする増養殖漁業から沖合の漁船漁業まで、多種多様な漁業を行っています。平成23年度の生産金額は58億円。サンマ、コンブ、カキ・アサリが全体の68%を占めています。えびかご斑のメンバーは20名、平均年齢約60歳。メンバー全員がコンブ漁などを主としています。

 

▼資源管理のスタートは操業停止処分から
 えびかご班のメンバーは不安を抱えていました。ホッカイシマエビ漁は、平成15年以降漁獲量がそれまでの年間4~5トンから3トンへ減少していたからです。平成19年操業初日に災難が降りかかりました。エビの加工処理施設を持っていなかったために保健所から操業停止の指導が入ったのです。1年間の休漁。何とかしなければと、班長に就任して間もない高田さんは水産技術指導所の門を叩きました。教わったことは「ホッカイエビは管理次第で増やすことが可能」と経営者の理念「利子だけで生活すれば元金は減らない」。ここから資源確保の活動がスタートしました。


▼漁師の思いを持った漁業者への意識改革の闘い
 「どうすれば資源を増やせるか」、指導所と漁協の職員の協力を得て調査を開始。その結果をもとに、次の3点をメンバーに提案しました。①今まで使用していた14節のかごを捨て10節にすることで体長9cm以下の「小」エビを保護する。②一人当たりのカゴ数を250カゴから50カゴへ減らす。③卵を抱いた雌エビを保護するために操業期間を8ヶ月から2ヶ月に短縮する。画期的な操業体制です。「バカヤロー!殺す気か!」そんなメンバーの心の声を感じながら高田さんは意識改革の必要性を熱心に説きました。「良い生活はしたい。だがそのために漁獲量を増やしていけばエビはいなくなる。漁獲量に合わせた生活をすることが必要。漁師の心を取り戻そう。」平成20年から自主規制による新しい操業体制を実施しました。


▼夢はかごえび漁を生活の柱に
 心配していた水揚げは良好。しかも年々その量は増えていきました。平成20年に 1カゴ当たり5尾前後だったものが平成24年には20~30尾になっています。特大サイズの漁獲も増えており、仲買さんの勧めもあり平成24年から「大黒しまえび」の名称でブランド化しました。安定した漁を継続するためにメンバーの協力により漁期前後の調査を続けています。メンバーの多くが生活の柱としているコンブ漁は後継者がいないと継続できません。かごえび漁はマイペースで操業出来るため高齢者にも向いています。 メンバーの夢はかごえび漁を生活の柱にすること。その夢に向かってメンバー全員元気に活動しています。





 

参考資料

漁業者自らができる資源管理の実践

 (第18回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)