地域別事例紹介

兵庫県たつの市           

 

   

●浜を元気にする人

室津漁業協同組合女性部 部長 本多春代さん
  副部長 山田奈保美さん
  会計 中川玲子さん
  部員 大川香里さん
室津漁業協同組合 女性部担当 中橋笑美さん
兵庫県西播磨県民局光都農林振興事務所
 龍野農業改良普及センター地域課 藤井久美さん

室津の浜が元気な理由
1 .浜のかあちゃんの活動に漁協が全面協力
2 .浜のかあちゃん達の強い想い(地元の魚を食べさせたい)

▼幻の魚魚市弁当!  

 たつの市室津は平家ゆかりの地でもあり、大河ドラマで紹介されて以来、多くの観光客が訪れるようになりました。風光明媚な天然の良港の漁協荷捌き場の横で、女性部のかあちゃんたちが毎週、土曜日、日曜日の10時から14時まで、地元で採れた魚の直売を行っています。魚魚市(とといち)と呼ばれるこの直売は、平成14年から行われており、魚の新鮮さと価格の安さが評判になり、観光客の立ち寄るスポットになっています。


 お客様のお目当ての一つは魚魚市弁当(550円)。安くて美味しいこの弁当は毎回200食用意されますが、常連客が多く、売り出した途端、あっという間に全て完売。お客様にとっては幻の弁当とも呼ばれています。弁当の他にも、前日から仕込んだ地魚を用いた手作りの惣菜も売られます。魚魚市が開かれる日は漁協の職員も総出で販売の手伝いをしています。



▼魚が食べたくても食べられない?

 魚魚市はなぜ開かれるようになったのでしょうか?一つの理由は、地元の人が食べる魚がなくなってしまうからです。室津港に水揚げされた魚は6時30分からセリに掛けられ、都市部に運ばれてしまいます。


 早朝、セリ市に行かなければ魚は手に入らないのです。もう一つの理由は、観光客がいっぱい訪れるようになったのに、新鮮な魚をお土産として売ることができないからです。そこで、漁協の組合長の勧めもあり、女性部のかあちゃんたちは自らセリに参加して魚を仕入れ、10時以降に地元の人や観光客に魚を安価で提供することにしました。



▼ふるさとを愛し、ふるさとの魚食を愛する教育  

 漁協女性部は昭和34年に結成され、以来、「魚食普及」、「地産地消」、「環境保全」の活動に取り組んできました。その伝統が生み出したものの一つが「郷土料理給食会」。 室津の小学校全児童、幼稚園児、保護者、教職員、地域のお年寄りなど総勢160名が参加するバイキング給食会を平成16年から年に1回実施しています。地元の人たちに、魚の美味しさや自然、文化、歴史といった室津の持つ素晴らしさを再認識して欲しいという、浜のかあちゃんの思いが詰まったイベントです。最近では本田部長自ら脚本を書き、子供たちの記憶に室津の歴史が残るようかあちゃんたちの自作自演による「魚魚市劇団」の寸劇も行われ好評を博しています。ほかにも地元の魚を使った魚料理のレシピ本も自分たちで出版しました。魚を愛する浜のかあちゃんの挑戦はこれからも続きます。

 

参考資料

浜のかあちゃんの挑戦

 (第19回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)