地域別事例紹介

鹿児島県薩摩川内市下甑町      

 

   

●浜を元気にする人

鹿児島県 甑島漁業協同組合・長浜漁業集落 代表   下野尚登さん
副代表  下野博英さん
総務   宮 国友さん
鹿児島県 北薩地域振興局林務水産課 技術専門員 久保満さん

長浜集落の浜が元気な理由
1  .3世代が同じ目的を持って一緒に働いている
2  .年長者の気遣いと若者のパワーが組織を強化している

▼きっかけは道路工事
  長浜集落は鹿児島県薩摩川内市の川内港から高速船で70分、下甑島南部に位置する集落です。
 甑島漁業協同組合の漁獲量の約8割はキビナゴの刺網と定置網で占められています。甑島漁協長浜漁業集落は平成17年度、離島漁業再生支援交付金事業の始まりに合わせて組織されました。構成員は24歳から73歳で、協力者を含め54名が活動しています。
 彼らが商品化したエビ入りさつま揚げとエビふりかけが消費者に好評です。漁業者の彼らがなぜ水産物加工品を作るようになったのでしょうか。
  きっかけは道路工事です。長浜集落の給油所と事務所が道路工事のために移動させられることになりました。
 移動資金が足りません。融資を受けるために長浜漁業集落、甑島漁協、薩摩川内市の3者による産地協議会を設立しました。
 融資の条件は商品を開発し、販売し、漁業者の所得を向上させることです。
 それじゃあ自分たちも頑張らなければいかんねと、構成員たちは全員で協力して商品づくりを始めました。

▼商品作りが熱意を育てる
  しかし、ズブの素人が簡単にできるはずがありません。構成員たちは鹿児島大学に通って一からふりかけ作りを学びました。民間のさつま揚げ屋さんを見学し、練り方、揚げ方を学びました。
 漁協j女性部のメンバーにも参加してもらいました。試作品をみんなで作りましたがなかなか同じ味に仕上がりません。そうした苦労の中で商品化は進んで行きました。
  しかし、構成員すべてが熱意を保っていたわけではありません。こんなに商品化に苦労するなら、海岸清掃で日当を稼いだほうがましだと考える人も出てきました。
 その時期に市の観光課がマスコミに紹介してくれ、テレビの取材も受けるようになりました。
 評価が形に現れることによって構成員みんなの熱意が再び燃え上がりました。イベントにも出店しました。どうせ出店するならばと、売り方を学び工夫を凝らしました。その工夫とは、
 イベント会場入口でチラシを渡し、その人がブースに近づいてくるタイミングで商品を揚げ、婦人部が商品を持って行って試食を進めるのです。
 関心を持った人には役員が近づいて、「これは昨日、沖で獲ったエビを・・」と商品の物語を語るのです。皆で役割分担をして一生懸命売りました。おかげで2時間弱で完売してしまいました。











▼成功の秘訣は
 「成功の秘訣はみんながまとまったこと。」と代表の下野さんは語ります。今は同じ地域に住んでいても世代が違うと世界が違う時代です。ところが長浜集落では20代の若者から引退した80代の年配者までの3世代が皆、同じ目的を持って、自由に意見を交換し、一緒になって働いています。これによって地域がまとまり活性化しました。
 「構成員にはいろいろな考えの人がいますが、それを一つにまとめるためには一人一人のコミュニケーションと根回しが欠かせません。」と下野さんは語ります。年長者を立てる気遣いと一生懸命に働く若者たちのパワー。この二つが長浜漁業集落を強力に結びつける絆となっているのです。













参考資料

エビで漁村をもりあげろ!

 (第20回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)