地域別事例紹介

千葉県いすみ市           

 

   

●浜を元気にする人

千葉県 いすみ東部漁業協同組合大原地区女性部部長 臼井 房子さん
千葉県 いすみ東部漁業協同組合大原地区女性部 松本 とし子さん
千葉県信用漁業協同組合連合会調査役 今井 恭平さん
千葉県勝浦水産事務所普及指導員 小宮 朋之さん

大原の浜が元気な理由
1  .港の朝市
2  .女性部の強い結束

▼タコ飯は女性部が元祖
 毎月第3日曜日(原則)の9時。太平洋に面するいすみ市大原漁港で「港の朝市」が開かれます。9時前から列をなす県内外のお客さんのお目当ては「たこ飯」。特にいすみ東部漁業協同組合大原地区女性部のタコ飯は9時30分には完売するほどの大人気。千葉県といえば伊勢海老の漁獲量日本一。伊勢海老の陰に隠れていますが、いすみ市沖のマダコはプロの料理人から明石のタコと並び称されるほどの評判を得ています。しかし、たこ飯が登場するまでは県内でもあまり有名ではありませんでした。大原地区女性部のたこ飯が登場したきっかけは、平成25年いすみ市から地元産水産物の知名度の向上や販売促進につながる「浜の家庭の味」を「港の朝市」に出店するよう女性部に要請があったからです。
  大原地区女性部は船の業種(漁船と遊漁船)や地区などにより58人が11の班に分かれて活動しています。たこ飯が誕生したのは遊漁船を営む現女性部部長臼井さんの家でした。釣りを楽しんだお客さんたちに食事の支度をするためタコを見せたところ、お客さんの一人が「じゃあ俺がたこ飯を炊いてやろう」と作ってくれたたこ飯が大変美味しかったので、臼井さんはレシピを覚え、試行錯誤の結果美味しいたこ飯を作りだしました。そして女性部のみんなにも教えました。おかげで「港の朝市」に出すメニューは全員一致でたこ飯にすんなり決まりました。「大原のたこ飯の元祖は女性部!」と臼井さんは胸を張って言います。


▼タコ飯の働き


女性部のたこ飯が大人気なので、現在「港の朝市」ではマダコを扱う店が増え、ゆでだこの販売のほか、「たこ入り焼きそば」や「たこ入り卵焼き」、「たこ飯おにぎり」といった商品も売られるようになりました。おかげで大原のマダコがすっかり有名になったのです。

 

▼無理をしないから生まれる強い結束
たこ飯の製造にはローテーションを組んで11の班全員が参加します。味を統一するために味付けは毎回部長が行います。おかげで今までは希薄だった浜の女性たちのコミュニケーションが図られるようになり強い絆と団結力が生まれています。臼井さんは言います「秘訣は無理をしないことです。たこ飯をもっと作って売ることはできます。しかし、そのために家族や船に迷惑をかけるわけにはいきません」。家族を愛し、浜を愛する女性たちが浜を元気にしています。


参考資料

「たこ飯」で伝える地元水産物の魅力

 (第20回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)